約40年ぶりに北海道当別町で復活した「亜麻(アマ)」の栽培ですが、どのような植物なのでしょうか。本記事では、亜麻の特徴について分かりやすく解説していきます。
亜麻の花って何色?花の枚数は?
亜麻の花の色は、「薄紫色」で花の枚数は「5枚」です。一般的に、”亜麻色”と言われているのは花が散ってあとに収穫される亜麻の色で「薄茶色」をさしています。亜麻は、花として流通するのではなく、リネンという繊維として人の目に触れることが多かったためかもしれません。
どうやって花が咲くの?午後には散ってしまう儚い亜麻の花
亜麻は「自家受粉」することで花を開きます。自家受粉とは、「花粉が同じ個体にある、めしべについて受粉すること」です。当別町では6~7月頃に亜麻の花を見物することができます。早朝に日がのぼる頃に少しずつ開き始める花は、午後には散ってしまう特徴があり、儚さを感じさせる花です。一つの花は、一日しかもちませんが、翌日には新しい花が次々と咲きますので、開花時期には薄紫色が広がる花畑を楽しむことができます。
亜麻の種類は2つ|一年草と多年草
一般に繊維として流通している亜麻は、一年草(いちねんそう)です。一年草とは、花を咲かせ種をつけて枯れてしまった後は、花を咲かせることはできません。なので、翌年に残された種をまいて育てることで新しい花を咲かせます。当別町でも、一年草の亜麻を栽培して収穫していますが、宿根草(しゅっこんそう)と呼ばれる同じ株から翌年に花を咲かせる種類もあります。宿根草は冬になると葉や茎が枯れてしまうのですが、暖かくなったらまた育ち始め、翌年にも花を咲かせのです。冬には、一見すると何もなくなってしまったように見えますが、寒い時期を土の中でじっと耐えています。当別町内では、宿根草の亜麻を見ることもできます。
亜麻はどうやって育てるの?
かつて盛んだった亜麻栽培も1960年代に途絶えてしまったため、栽培知識や方法など全く分からない状態から、当別町の亜麻栽培は始まりました。現在、収穫している亜麻は一年草ですが、連作障害(れんさくしょうがい)といって同じ場所に植え続けると上手く育ちにくい特徴があるので、毎年、畑の場所を変えて栽培しています。 また、無農薬栽培のため病気の対策や、草取りは手作業になってしまうなど、栽培はとても大変です。亜麻の花畑を見ると、当別町の農家さんの想いや努力を感じることができます。